この記事では、当時の経験から得た学びと教訓を踏まえて、『仕事・家事・育児をやっても、夫婦関係がうまくいかない夫に足りないモノ』というテーマをお送りしたいと思います。
- 求めているモノと与えるモノのミスマッチが夫婦喧嘩を招く
- 妻が求めるモノを人の本質的な欲求から考えてみる
- 夫婦関係をよくしていくには「価値の循環」が必要
僕はかつて…
なのに!夫婦喧嘩!!!
なぜ夫婦関係がうまくいかないんだ…
と、夫婦関係に悩んでいた夫でした。
「家事と育児はお前(妻)の仕事だろ!?俺は仕事してお金を家庭に入れてるじゃないか!」
そんなスタンスの夫だったら、妻が不満をため込み、夫婦関係がうまくいかなくなるのはわかります。
でも真逆の、仕事も家事も育児も全力でやっているのに、夫婦関係がうまくいかないのは、意味がわかりませんでした。
夫婦関係がうまくいかないことで、寝る前にいろいろ考えすぎて、寝つきが悪くなり、仕事への集中力も落ちて、どんどん心の中は暗く重くなっていく…
そんな負の連鎖にハマっていたのです。
でも、あることを知って意識し始めてからというもの、悩み苦しんでいた夫婦関係が、少しずつ改善していきました。
それでは、早速見ていきましょう。
仕事も家事も育児も全力でやってるのに夫婦関係がうまくいかない理由
このミスマッチがコミュニケーションの不和を招き、積もり積もって夫婦喧嘩に発展したり、夫婦関係がこじれたりしていきます。
なぜそう言えるのか?
僕自身、『妻が夫にやって欲しい家事・育児ランキング』10項目のうち…
- 【○】ゴミ出し
- 【○】風呂掃除
- 【○】皿洗い
- 【○】子供の学習サポート
- 【○】子供のお風呂
- 【○】トイレ掃除
- 【×】子供の学校行事
- 【○】子供の送迎
- 【×】料理
- 【○】布団干し
8項目を毎日やってたにも関わらず、夫婦喧嘩が起きて、妻にボコボコにされた夫だからです。
たとえるなら、キング・オブ・アスリートと呼ばれる十種競技で、八種目メダル確定してるのに、バッシングされるアスリートみたいなもんでしょう。
妻が夫にやって欲しい家事・育児ランキングは、妻の本心ではない
当時の僕は
そう思っていました。
しかし…フタを開けてみると、夫婦喧嘩になり痛い目を見ることに…
なぜそうなったのか意味がわからず、何度も「妻がおかしい!」と悩み葛藤する日々を送ったこともありました。
しかし、妻との出来事を内観して深掘りするうちに、気づいてしまったのです。
という事実に。
妻が求めるものがわからない限り、夫婦関係は変わらない
妻が求めているものがわからないかぎり、コミュニケーションの不和は何度も起きます。
という風に、同じような夫婦喧嘩を繰り返すことに繋がります。
それって嫌ですよね。じゃあ、妻は一体何を求めているのでしょう?
それを紐解く鍵は、とある学者の発表した『人が持っている本質的な欲求』にあります。
妻が求めているものを知る鍵は「マズローの欲求」にあり!
マズローの欲求とは、アメリカの心理学者「アブラハム・マズロー」が1943年の論文「人間の動機づけに関する理論」で発表した、人ならみんな持っている6つに階層化された欲求のことです。
マズローの欲求は基本的には、下の欲求が満たされると、1つ上の欲求を求めるようになります。
現代で求められるのは承認欲求から上位の欲求
生きるか・死ぬか、現代は昔のような戦国の世ではありません。
食べ物も家もない、そんな命の危機に陥ることも圧倒的に減り、女性もどこかのコミュニティに所属して、社会で活躍することが当たり前の時代になりました。
そのため、「生理の欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」は、すでに満たされている状態です。
そして今は、SNSで誰とでも気軽に繋がれるような時代です。だからこそ、認められたい・褒められたいといった『心の充足』を人は求めます。
これは夫婦関係でも同じで、うまくいく夫婦関係にしていくためには、『妻の承認欲求を満たす=心の充足』が必要です。
単に褒めたり、認めたりすれば良いわけではありません。実は承認欲求を満たしすぎるのは危険な側面もあります。
それについては、以下の記事で解説しています。
妻の求めるモノを見つけるには、妻の心に目を向け、妻をより知っていく過程が必要
これに尽きます。
『妻が夫にやって欲しい家事・育児ランキング』をやるのは、一見すると妻のことを思って(妻の心に目を向けている)ようですが…
実はそうではないのです。
残念ながら、仕事してお金を稼ぐ、妻の家事や育児をサポートするだけでは「妻の心に目を向けている」ことにはならないんです。
むしろ、無意識のうちに「自分は良い夫だと思われたい」といった自分の承認欲求を満たすためにやってることさえあります。
妻の心に目を向けるとは、いわば『妻のことを知る』ということです。
- どんなことに「幸せ」を感じるのか?
- どんなことに「楽しみ」「喜び」を感じるのか?
- どんなことに「悲しさ」「怒り」を感じるのか?
- どんなことに「愛情」「安心感」を感じるのか?
- どんなことに「憎悪」「不信感」を感じるのか?
こういったことを知る(=妻を観察する)ことから始める必要があります。
そして、夫婦の関係を良くするために、妻を知ることと同等もしくは、それ以上に大切なことがあります。
先ほど夫婦関係がうまくいかないのは、与えるものがミスマッチしているからだとお伝えしました。
これは別の言い方をすると、お互いにより良い価値の循環が正しく起きてないからとも言えます。
「価値の循環」とは一体何なのか?それを次の章で解説します。
妻が求めているものを知る鍵は「マズローの欲求」にあり!
価値の循環とは、たとえばお店でジュースを買うときを想像してみてください。
実はこの考え方、夫婦関係においてとても重要です。
夫が与える価値と妻が与える価値で、きちんと価値の循環が起きているかは、うまくいく夫婦関係が築けるかどうかを左右します。
一般的な夫婦では、
- 夫は「仕事」と「家事・育児のサポート」
- 妻は「全ての家事と育児」
という価値を与え合っているのがほとんどだと思います。
一見すると、夫婦間で価値の循環が起きてるようですが、「より良い価値の循環か」という観点で考えるとそうじゃありません。
ただ価値を循環させれば良いわけではなくて、「より良い価値の循環」というのが必要です。
では、より良い価値の循環とは一体何なのでしょうか?
より良い価値の循環とは?
全力で仕事・家事・育児をやったとしても…
だから「あなたと一緒にいて幸せ」だと感じるような、より良い価値の循環をしない限り、夫婦関係はうまくいかないんです。
そして、妻に与える価値には大きく2つの種類があります。
先ほどの一般的な夫婦で与えている価値の
- 夫は「仕事」と「家事・育児のサポート」
- 妻は「全ての家事と育児」
この価値の循環では、主に外的価値を満たしていて、内的価値は満たされていない状態です。
外的価値しか満たしていない場合、夫婦関係は破綻する可能性が圧倒的に上がります。まさに僕のような夫婦関係になってしまうのです。
では、次の章では、2つの価値の詳細について見ていきましょう。
夫婦関係をうまくいかせるために、夫が妻に与える2つの価値
うまくいかない夫婦関係を改善するためには価値の循環が必要ですが、その価値には2種類あります。
どんな価値かと言うと…
外的価値 |
内的価値 |
---|---|
特徴 | |
機能的 モノ・コト目に見える溜まらない |
感情的 感情・自己表現目に見えない溜まっていく |
まずは「外的価値」から見ていきましょう。
外的価値 – 外側から得られる価値
たとえば
- モノなら、お金・車・家・服・宝石・時計・調理器具…etc
- コトなら、料理・洗濯・掃除・片付け・子供と遊ぶ…etc
などです。
外的価値は「フロー型 – 溜まらずキリがない」
外的価値は、相手が求めているモノなら、一瞬はより良い価値の循環が起きますが、持続しにくく、相手の中に溜まっていきません。
溜まらないうえに、飽きてしまうため、どんどん新しい「モノ」や「コト」を与え続けなければいけなくなります。
そして、さらに「高価なモノ」や「多くのコト」を求め出すようになります。
内的価値 – 内側から得られる価値
内的価値にはポジティブとネガティブの側面があります。
たとえば
- ポジティブなら、嬉しい・楽しい・感謝・安心・幸せ・リラックス…etc
- ネガティブなら、悲しい・苦しい・怨嗟・不安・不幸・緊張…etc
など、こういった心の状態が内的価値です。
内的価値は「ストック型 – 溜まっていく」
ポジティブな感情を相手に与えれば、ポジティブな感情が循環して戻ってきます。
逆に相手にネガティブな感情を与えれば、ネガティブな感情が循環して戻ってきます。
そして、内的価値はポジティブ・ネガティブを問わず、どんどん溜まっていく性質があります。
そのため、ポジティブな価値が溜まるほど、夫婦に強い絆が芽生えていきますが、ネガティブな価値が溜まるほど、どんどん関係破綻へと向かっていきます。
内的価値・外的価値のポジティブは「相手に与える」、ネガティブは「相手から奪う」
先ほど価値には外的価値と内的価値の2種類があるとお伝えしましたが、この2つの価値には「ポジティブ」と「ネガティブ」の2つの側面があります。
内的価値は先ほどお伝えした通りです。
「外的価値 × ポジティブ」は、たとえば、困っている妻のために、家事や育児を手伝ったり、妻や子供のために行動するのは、ポジティブな側面の「与える」になります。
逆に「外的価値 × ネガティブな価値」は、たとえば、妻がどれだけ苦しんで困っていても、一切家事・育児を手伝わない。自分だけお金を自由に使い、妻に与えない。自分さえ良ければ妻や子供達が困っていても問題なし。そんな状態はネガティブな側面の「奪う」になります。
ネガティブな価値(相手から奪う)ばかりだと、夫婦関係はうまくいかない
たとえば、家事や育児をイヤイヤ手伝ったり、妻が苦しんでいても一切寄り添わなかったりするとかですね。
お金も自分が楽しむためだけに使い、妻が家計に困っていても、妻のお金の使い方に改善を求めるだけで必要以上に渡さなかったり。
当然ながら、それだと破綻しますよね。
男性はどうしても、仕事をしてお金を稼ぐことさえしてたら価値を十分与えられている。むしろ家事も育児もやっているなら、尚更、価値を与えられていると思ってしまいます。
ときには「手伝ってあげてる俺は偉い」。そんな意識もあるかもしれません。
そういった意識は絶対に妻に伝わるし、妻が助けてほしいと思っているのに嫌々やっていたら。妻はあなたと一緒にいることに幸せを感じることはないでしょう。
何よりも、妻が求めているのはポジティブな価値です。
そして、ポジティブな価値は目先のわかりやすいものだけでは足りないのです。
では、ポジティブな価値を与えるにはどうしたらいいのか?
記事が長くなってしまったので、それは後日お伝えしたいと思います。
まとめ
最後にこの記事のまとめです。
今回お伝えしたテーマは『仕事・家事・育児をやっても夫婦関係がうまくいかない夫に足りないモノ』でした。
そのために以下の3つのキーワードについてお伝えしました。
- 求めているモノと与えるモノのミスマッチ
- 妻が求めるモノと人の本質的な欲求
- 夫婦の価値の循環
仕事・家事・育児をやっても夫婦関係がうまくいかないときは、妻が求めていることと、妻に与えるものがミスマッチしている可能性が高いです。
なぜそんなことになってしまうかというと、大抵の場合、仕事・家事・育児をしていることで価値の循環ができていると思ってしまっているからです。
しかし、実際のところ、それは価値の循環ではありません。
なぜなら、妻が求めているものはそういった外的価値ではなく、内的価値だからです。
内的価値とは妻にとっての「幸せ」です。
それを知るためには、妻の心に目をむけ観察して、一体何に幸せを感じるのかを知っていくことが必要です。
そして、外的価値と内的価値はどちらもポジティブとネガティブな側面があります。
夫婦関係がうまくいかないときほど、ネガティブな側面を与えている可能性が高いです。
なのでポジティブな価値を与えられるように変えていく必要があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
10年間で10職以上の転職経験を持つキャリアアドバイザー。多くの転職経験を通じて、「どんな仕事(内容)をするか」よりも、「どんな働き方(向き合い方)をするのか」かが手にする成果や人生の幸せを決めることに気づく。現在は「仕事辞めたい」と悩む人に向けて、働き方が変わり、市場価値の高い輝く仕事人になるための情報発信をしている。